工学とは、科学を基盤に安全で快適・便利な事物や環境をつくり、人類・社会の発展、公共の福祉に資することを目的とする学問です。人類は、工学の進歩とともに発展してきたという歴史があります。さらに近年では、人間社会に新しい価値や豊かさを提供することも工学には課せられています。ワクワクと心躍るような未来技術のアイデアを創出し実現していくことは、工学分野が得意とするところです。
私たち東北大学工学部・工学研究科は、工学としての使命と責務を、“世界というフィールドで、未来を志向し”、果たしていきたいと考えています。その実現に向けた第一の要は、次代を担う若手の育成です。学生や若手研究者が挑戦的な課題に取り組める環境を整備し、グローバル社会に必須の能力を養う機会と場を提供します。二つ目は、世界を視野に置いた研究です。国際的な人的交流、頭脳循環のなかで、未知の領域に果敢に挑み、価値ある成果に結びつけていきます。三つ目は、研究・開発成果の社会実装です。社会課題に対する工学的な解を模索していく中で新たな課題を見出し、創発的な展開を目指します。
工学部創立百周年を契機として、『工学部・工学研究科「未来への挑戦」基金』を設立しました。これからの私たちの挑戦は、これまで築き上げてきた100年の英知とともに未来を切り拓いていくことです。困難や課題を克服し、各方策を計画し実践していくための源泉として、独自の活動財源である『工学部・工学研究科「未来への挑戦」基金』を活用していきます。